カメムシのにおいの正体は?成分と手に付いたときの落とし方

理系のなんで?

車の中にカメムシが入ってきて、どうやって外に逃がそうか悩んだ。

こんにちは。りけいパパ(理系博士)です。
9歳と5歳の娘を育てながら、共働きで暮らしています。有機化学の研究者でもあります。

この記事では、有機化学の研究者として、カメムシのにおいの正体と、付いてしまったときの落とし方を、出典の言葉どおりにまとめます。

結論から言うと、こうなります。

  • カメムシのにおいの主な成分は「アルデヒド類と呼ばれる刺激性のある化合物」(アース製薬の解説)
  • クサギカメムシという種類では、トランス-2-オクテナールとトランス-2-デセナールの2つが主な成分、という論文がある
  • 手に付いたら、まず消毒用アルコールやクレンジング剤で拭いてから、石けんで水洗い(アース製薬の解説)

今の時期に、家の中で見かける理由

堺市のページには、こう書かれています。

「10~11月ごろには、越冬場所を探して屋内に侵入することもあり」

においの正体①:主な成分は「アルデヒド類」

虫ケア用品メーカーのアース製薬は、ウェザーニュースの記事(2025年10月11日)で、こう解説しています。

  • 「成虫はお腹側、幼虫は背中側にある『臭腺』という場所から臭いを出します。」
  • 「主な成分はアルデヒド類と呼ばれる刺激性のある化合物です。」

アルデヒドは、化合物のグループの名前です。形の決まった部分を持つ化合物をまとめて、こう呼びます。

においの正体②:クサギカメムシでは、主な成分は2つ

ここでは、論文で成分が書かれている1種類だけを紹介します。

カメムシには、たくさんの種類があります。この記事で成分の名前を挙げるのは、論文で確かめたクサギカメムシ1種類だけです。ほかの種類の成分は、この記事では確かめていません。

なお、一般向けの解説には、「トランス-2-ヘキセナール」など、ここで紹介するものとは別の成分名が挙げられているものもあります。それらの元になっている一次の資料を、この記事では確かめていないので、成分の名前としては書いていません。

2016年の論文(Sagun ほか、J Pharmacogn Nat Prod)には、クサギカメムシ(学名 Halyomorpha halys)について、こう書かれています。

「Trans-2-octenal and trans-2-decenal are the major alarm aldehydes responsible for the scent of Halyomorpha halys, the brown marmorated stink bug.」

日本語にすると、「トランス-2-オクテナールとトランス-2-デセナールが、クサギカメムシのにおいのもとになる主な警報アルデヒドである」という意味です。

名前の「オクテ」「デセ」は、化合物の骨組みの炭素の数を表しています。オクテナールは炭素8個、デセナールは炭素10個の仲間です。

なお、車に入ってきたカメムシが、クサギカメムシだったかどうかは確かめていません。この論文の話を、ほかの種類のカメムシ全部に当てはめることはしません。

手に付いたときの落とし方:まずアルコールかクレンジング

アース製薬の解説には、成分の性質についてこう書かれています。

「この成分は水に溶けやすい成分と、アルデヒド類など油に溶けやすい成分が含まれています」

手などに付いた場合の落とし方は、こうです。

「まず、消毒用アルコールや化粧品のクレンジング剤を含ませたティッシュなどで拭き取り、その後石けんを使って水洗いします。」

洗濯物に付いた場合は、こう書かれています。

「シーツやタオルなど洗濯できるものは洗剤で洗えば、界面活性剤の働きできれいに落ちます。」

水で流すだけ、ではなく、拭き取ってから洗う、という順番が書かれているのがポイントです。

見つけたときは:潰さずに捕まえる

堺市のページには、こう書かれています。

  • 「不意に触れてしまうと、少しの刺激でとても臭い分泌液を出します」
  • 「潰さないようにガムテープや紙を利用して、そっと捕獲するか、即効性のある市販のカメムシ殺虫剤で駆除することをお勧めします。」

家に入れないために:堺市の案内

同じ堺市のページから、家でできる対策を原文どおり並べます。

  • 「10~11月は、外干しをやめて室内干しするとカメムシの付着を防ぐ効果があります。」
  • 「必要な照明は、虫の好む紫外線をカットした、防虫ランプに交換することもカメムシの飛来を防ぐ効果があります。」
  • 「網戸や窓の隙間を隙間テープでふさぐとよいでしょう。」

よくある疑問

Q. 車の中に入ってきたら、どうする?

私も、車の中に入ってきたカメムシを、どうやって外に逃がそうか悩みました。

ただ、車の中での逃がし方を書いた公的な出典は、この記事では見つけられていません。上の堺市の案内(潰さないように、ガムテープや紙でそっと捕まえる)は、家の中での話として書かれたものです。

Q. カメムシのにおいは、体に悪い?

この記事では、健康への影響は扱いません。においが手に付いたときの落とし方は、上のアース製薬の解説を参考にしてください。肌に異常があるときは、医療機関に相談してください。

Q. どのカメムシも、同じにおいの成分?

この記事で成分の名前を紹介したのは、論文に書かれているクサギカメムシ1種類だけです。ほかの種類については、この記事では確かめていません。

まとめ:においの正体を知ると、落とし方の順番が分かる

カメムシのにおいの主な成分は「アルデヒド類と呼ばれる刺激性のある化合物」。クサギカメムシでは、トランス-2-オクテナールとトランス-2-デセナールの2つが主な成分という論文があります。

手に付いたら、まず消毒用アルコールやクレンジング剤で拭いてから、石けんで水洗い。見つけたら、潰さずにガムテープや紙でそっと捕まえる。

10~11月は、カメムシが家に入ってくることもある時期です。

感覚で買わない。データで暮らしを選ぶ。

参考

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