年末調整の書類で、「年齢23歳未満の扶養親族」の欄を見て、手が止まった人は多いと思います。Threads でも、この欄についての質問が、たくさん出ています(2026年11月1日に確認)。
こんにちは。りけいパパ(理系博士)です。
9歳と5歳の娘を育てながら、共働きで暮らしています。
この記事は、わが家の体験談ではなく、国税庁の資料の整理です。引用した文は、原文のままです。税務の個別の判断はしません。ご自身の場合は、勤務先の担当の方や、税務署に確認してください。アフィリエイトのリンクは入れていません(PRではありません)。
結論から言うと、こうなります。
- 国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」には、同一世帯の夫婦の間に、23歳未満の扶養親族である子が1人いれば、夫婦の両方が、この特例を受けられると書かれています
- 特例の対象は、新生命保険料(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)の、一般の生命保険料の控除です。控除額は、上限が4万円から6万円になります
- 一般の生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の3つの合計の上限は、12万円のままです
何が変わった?:23歳未満の扶養親族がいる場合の特例
国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」(2-3 保険料控除申告書の受理と内容の確認)には、こう書かれています。
「なお、本年の年末調整においては、年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例が創設されており(4ページ参照)、昨年の年末調整から、一般の生命保険料の控除額の計算方法に変更が生じていますので、ご注意ください。」
国税庁のタックスアンサー「No.1140 生命保険料控除」([令和8年4月1日現在法令等])には、こう書かれています。
「令和8年分以降の申告の場合、新契約に基づく新生命保険料の控除額について、23歳未満の扶養親族を有する場合の控除額は次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。」
夫婦の場合:夫婦の両方が、特例を受けられる
Threads でいちばん多かった疑問は、「共働きの夫婦で、子どもを扶養しているのが、どちらか一方のとき、どちらが書けるのか」でした。
「令和8年分 年末調整のしかた」の、生命保険料の注意事項には、こう書かれています。
「同一世帯に属する夫婦において、夫婦の間に年齢23歳未満の扶養親族である子が1人いるような場合には、その夫婦の両方が年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例の適用(下記「計算式Ⅱ」の適用及び控除額③の「最高6万円」の適用)を受けることができます。」
つまり、同一世帯の夫婦で、23歳未満の子が1人いれば、夫婦の両方が、計算式Ⅱと「最高6万円」の適用を受けられる、という文です。
別の世帯の場合など、これ以外の場合の扱いは、この記事では確かめていません。
計算式Ⅰと計算式Ⅱ:どのくらい違う?
国税庁の資料の計算式です(新生命保険料を支払った場合)。
計算式Ⅰ(23歳未満の扶養親族を有しない場合)
- 20,000円以下:支払った保険料等の金額の全額
- 20,001円から40,000円まで:保険料の合計額×1/2+10,000円
- 40,001円から80,000円まで:保険料の合計額×1/4+20,000円
- 80,001円以上:一律に40,000円
計算式Ⅱ(23歳未満の扶養親族を有する場合)
- 30,000円以下:支払った保険料等の金額の全額
- 30,001円から60,000円まで:保険料の合計額×1/2+15,000円
- 60,001円から120,000円まで:保険料の合計額×1/4+30,000円
- 120,001円以上:一律に60,000円
計算例(この記事の計算)
年間に支払った新生命保険料ごとに、公式の式へ当てはめます。
| 年間の新生命保険料 | 計算式Ⅰ(なし) | 計算式Ⅱ(あり) | 差 |
|---|---|---|---|
| 30,000円 | 30,000×1/2+10,000=25,000円 | 全額=30,000円 | 5,000円 |
| 60,000円 | 60,000×1/4+20,000=35,000円 | 60,000×1/2+15,000=45,000円 | 10,000円 |
| 80,000円 | 80,000×1/4+20,000=40,000円 | 80,000×1/4+30,000=50,000円 | 10,000円 |
| 100,000円 | 一律40,000円 | 100,000×1/4+30,000=55,000円 | 15,000円 |
| 120,000円 | 一律40,000円 | 一律60,000円 | 20,000円 |
この「差」は、所得から引ける額(控除額)が増える分です。税金がいくら減るかは、所得や税率で変わるので、この記事では金額は出しません。
注意:公式の文から
本人が支払った保険料に限られる
「生命保険料控除の対象となる生命保険料は、一定の生命保険契約等に基づいて支払った保険料や掛金で所得者本人が支払ったものに限られます。」
新契約と旧契約で、区分が違う
「平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に係る保険料は新生命保険料・介護医療保険料・新個人年金保険料に区分され、平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に係る保険料は旧生命保険料・旧個人年金保険料に区分されます。」
計算式Ⅱは、「年齢23歳未満の扶養親族を有する場合で新生命保険料を支払ったとき」の式です。旧生命保険料の計算は、計算式Ⅲ(国税庁の資料)で別に行います。
3つの控除の合計は、12万円が上限
「一般の生命保険料の控除額、介護医療保険料の控除額及び個人年金保険料の控除額の合計額が12万円を超える場合には、生命保険料の控除額は最高12万円が限度となります。」
証明書類
「旧生命保険料以外の保険料にあっては、金額の多少にかかわらず全てのものについて、その保険料を支払ったこと等の証明書類又はその証明書類に記載すべき事項を記録した電子証明書等に係る電磁的記録印刷書面を保険料控除申告書に添付して提出又は提示する必要があります。」
申告書の書き方
申告書の欄の書き方は、国税庁の「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書の記載例」で、確かめてください。会社によって、提出の方法(紙・電子)や、締切が違います。勤務先の案内に従ってください。
よくある疑問
Q. 夫婦のどちらか一方しか、書けないのでは?
国税庁の資料の上の文では、同一世帯の夫婦で、23歳未満の子が1人いる場合は、夫婦の両方が特例を受けられる、と書かれています。ご自身の場合に当てはまるかは、勤務先の担当の方や、税務署に確認してください。
Q. 保険料が少ない(4万円に満たない)と、意味がない?
計算式Ⅱでは、3万円以下は全額、というように、少ない金額の部分でも、計算式Ⅰより控除額が増えるところがあります(上の計算例)。実際に、いくら税金が変わるかは、この記事では確かめていません。
Q. 旧契約(平成23年12月31日以前)だけの場合は?
計算式Ⅱは、新生命保険料の式です。旧生命保険料は、計算式Ⅲです。新旧の両方がある場合は、国税庁の資料(24ページ)で、確かめてください。
Q. 子どもの保険料を、夫が払っているときは?
「本人が支払ったものに限られます」と書かれています。誰の保険料を、誰が払ったかで、控除を受けられる人が決まります。この記事では、個別の場合は判断しません。
Q. 特例は、いつまで?
国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在)には、「令和8年分以降の申告の場合」と書かれています。何年分までかは、この記事では確かめていません。
まとめ:国税庁の文では、夫婦の両方が使える。ただし、ご自身の場合は確認を
同一世帯の夫婦で、23歳未満の子が1人いれば、夫婦の両方が、新生命保険料の特例(計算式Ⅱ・最高6万円)を受けられる、と国税庁の資料に書かれています。3つの控除の合計は、12万円が上限です。
迷ったときは、「新契約か旧契約か」「保険料は本人が払ったか」「合計が12万円を超えないか」を確かめて、勤務先の担当の方や税務署に確認してください。
感覚で書かない。データで暮らしを選ぶ。
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参考
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」2-3 保険料控除申告書の受理と内容の確認(21〜24ページ。https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2026/01.htm の PDF。2026年11月1日確認)
- 国税庁 タックスアンサー「No.1140 生命保険料控除」([令和8年4月1日現在法令等]。https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm。2026年11月1日確認)
- 国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書の記載例」(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2026/pdf/307.pdf)



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